Vinyl Review - 10

Mark III / Marvin Whoremonger (Blacklite) '76

正直どっちがアルバムタイトルでどっちがアーティスト名かよくわからないラスヴェガスのレーベルからリリースされた2枚組の不可解盤。黒人メンバー4人はリーダーと思われるMarvin Neros以外全員10代で全編シンセやワウが飛び交うどろーっとしたサイケファンクが展開されています。内容的には絶対のオススメ盤ではありませんがレア度はかなりのもの?

Soul Dog / Movin' On (Amherst) '76

見るからに安っぽいディスコバンドといったジャケで内容もやっぱり安っぽいファンキーディスコ中心。とはいえA-3「Soul Truckin'」やA-4「Big Bad Buster Brown」はまともなファンクで十分聴けます。安ければ買っといてもいいかも。

Seeds Of Fulfillment / Same (Fulfillment) '81

オハイオで録音された黒人・白人混合グループのジャズフュージョンアルバム。スピリチュアルっぽさも併せ持ったこのアルバムはかなりのハイクオリティで絶対のオススメ盤です。特に疾走するリズムセクションとホーンのリフの合間をエレピが縦横無尽に駆け巡るA-2「Egg Cartons」とパーカッション、リムショット、ベースのリズムアンサンブルが絶妙のB-1「Namaste'」は完成度高すぎ!

Billy Anderson / Billy's Back (Claremont)

オルガンを弾きながらマラカスを振りボンゴを叩くという得意技(?)を持ったオルガニストのソロアルバム。「Billy's Back」と言うからにはそれなりの前歴があるのだとは思いますが、すみません全然知りません。退屈なカバー曲もありますが「Ode' Billy Joe」と自作の「Just Us」はソウルフル&ファンキーなオルガンジャズなので買う価値あり!

Black Rain / Same (Baby Grand) '77

Tereaで有名なBaby Grandから正体不明のグループ。A-1, A-2は黒人女性と思われるボーカルのナイスソウルですが、B面には酔っ払いオヤジがカラオケでがなってるかのような「悲しき願い」の悲惨なカバーが収録されており、とても同じグループとは思えません。クレジットがないのではっきりしませんが、実際音質的にも違うので複数のグループが演奏していると思われます。蛇足ですが確かジャケ違い盤が存在したと記憶してます。

Dayton Selby Sound / Love Is The Key (Emma) '78

昔から欲しかったレコードでそれなりにレアとされているものだが、Dayton Selbyの音楽的バックグラウンドを知らなかったためソウルよりのファンキーサウンドを期待しており、実際に入手して聴いてみてガックリ。「Feelings」のカバーとか本人の耳を塞ぎたくなるようなボーカルは聴きたくなかった。唯一の救いはオルガンジャズファンク「Lady Funk」。確かにカッコイイがこの曲のためだけに万を超えるような出費をするのはやめておいたほうがいいかも。

Haze / Same (ASI) '74

裏ジャケには危なそうな風貌の黒人達が並んでいてドス黒いファンクを期待させるが、内容のほうは極めてロック的な音。それもありがちなハード系の音ではなく白人みたいなハイトーンのコーラスを前面に出したアメリカンロックな感じ。けっこう高い値段がついていることが多いのでソウル・ファンクファンは要注意。

Perez Prado / Ciliegi Rosa (Uni Funk) '74

Perez Pradoのイタリア盤といえばDon Alfioとの競演盤「Love Child」が有名ですが、こちらはその1年後にリリースされたもの。超傑作ラテンファンク「Circles」等収録曲の半分以上が前作とダブっていますが、個人的にはロックしてるDon Alfioのボーカルが好きじゃないので全曲インストの本作のほうをよく聴いています。ファンクアレンジの「Tequila」やブレイクで始まる「Que Es Lo Que Pasa?」は前作未収録の抜群のラテンファンクトラック。

Nimbus / Children Of The Earth (No Label) '80

ミシガンで吹き込まれた4人組のプライベートプレスと思われるこのアルバムは昔レココレのAOR特集で掲載されてましたが、ジャズフュージョン的な要素もありかなり自分好みな1枚。全曲素晴らしいが特にオススメはA-2「Free Youself」とA-3「Nezarai」。惜しむらくはドラムのリズムのキレがイマイチなことか。

Hot Ice / No.1 (Rage) '76

「Disco Summer」とか「Dancing Free」とかどこかで聞いたようなタイトルの曲を含むカリフォルニアのディスコバンド。裏ジャケを見ると当時はファンクラブも設立されていたようですが本当でしょうか?前述の2曲は聴くに値しない3流ディスコソングで、オルガンをフィーチャーしたファンクB-2やB-3のソウルがかろうじて聴ける程度なので買う必要はないと思います。