Vinyl Review - 19

Earl Moseley / Facing The Sun (T-Bones)

「No Categories」というコンピにも収録された強力ジャズファンク「Fly In The Soup」を含むサックスプレイヤーのソロアルバム。A-1、A-3といったエレピの音色が気持ちいいフュージョントラックもいいが、やはり白眉は「Fly In The Soup」。グルーヴィーなベースとドラムにサイレンのようなシンセが絡んでくるイントロからノックアウト。途中から参加するワウギターも超ファンキー!

The 150th Psalm Band / Here The Prophecy (VFT) '84

そのEarl Moseleyがメンバーとして加わりプロデューサーも務めたグループのアルバムがこれ。音の方は上掲のソリッドなジャズファンクから一変、女性ヴォーカルをメインに据えたコンテンポラリーなゴスペルソウルサウンドになっている。

Sunrise Ltd. / Until My Love Returns (Pizzazz) '80

プライベートプレスにありがちな低コストな風景ジャケだが、厚みのある演奏はそんなチープさをまったく感じさせないデトロイトのジャズユニット。どの曲もフルートがリードし、いい感じでエレピが入る。ゆったりしたテンポに切ないメロディーが夕日のイメージとダブるB-3「Our Love Will Grow」がベストトラック。この曲のみ女性ヴォーカルがフィーチャーされどこかのSSWみたいな雰囲気。

The Bossmen / Same (Pipas)

シカゴで結成されたヒスパニック系メンバー中心のグループ。録音は70年代前半と思われる。「Simple Song」、「Funky Nassau」、「It's Too Late」等アルバム10曲中9曲がカバー。特にDramaticsの「What You See Is What You Get」のカバーと唯一のオリジナルのインストラテンジャズ「Cucamonga」で聴かれる猥雑なブーガルー感覚がシビレる。

Telstars / Orbiting (WIRL)

意識している訳ではないがなぜか最近よく買ってるのがカリビアンファンクもの。正確にはメンバーはギアナ高地で有名なガイアナ出身らしい。ヴェネズエラの隣に位置するガイアナは南米では唯一の旧イギリス領ということもあってか歌も全曲英語。注目はJBマナーのB-4「Making A Living」でブルージーな前半部分、ドラムブレイクとホーンリフが派手に絡む後半部分とカリビアン度ゼロのファンキートラック。

Omega Sunrise / Feel The Change (New Jerusalem) '83

SeawindのKim HutchcroftプロデュースによるCCMグループ。切れのいいホーンセクションやPauline Wilsonそっくりのヴォーカルなど内容はSeawindそのもの。名曲「He Loves You」を思い起こさせるブラジリアンチューン「Eternal Day」、Seawind以外の何ものでもないHutchcroft作の「Your Love」、アルバム最後をしっとりと締めくくるSeawindのカバー「Follow Your Road」等全曲文句なしに素晴らしい奇跡のようなアルバム。こんな凄いレコードがまだ隠されていたとは、CCM恐るべし!

Ambiance / Into A New Journey (Da-Mon) '82

ナイジェリア生まれのサックスプレーヤーDaoud Abubakar Balewa率いるジャズフュージョングループの4枚目のアルバム。前3作は既発のディスクガイドでも紹介済でこれはあまり話題にならないが、内容的には同じ流れを汲みひけをとらないものとなっている。女性シンガーMonifeがハイトーンヴォイスを聴かせるChick Corea作ボッサフュージョン「500 Miles High」が秀逸。

Alma / Sin Limites Unlimited (Alhambra) '78

スペインのラテンロックグループ。スティーヴィーの「Another Star」収録盤は持っていないが、こっちはその「Another Star」のパクリバージョンを収録。しかしただのパクリでしかなく何の魅力もない。その他も最後まで通して聴くのがツラいスパニッシュ歌謡サウンドのオンパレード。サンタナの「哀愁のヨ−ロッパ」のカバーなんかギターじゃなくてサックスがリードをとるんだけど見事なまでにムード歌謡してます。

Wilbur Niles / Thrust (Montage) '83

Wilbur Niles(ギター)と言えば相方のMachelle McNeal(キーボード)と79年にリリースしたアルバムが超レア盤として有名。バカ高いわりに内容がちっとも伴わないそっちに比べこっちは内容に見合った価格で一応納得したものの、可もなく不可もなくの聴き流しフュージョンサウンドで満足度は高くない。

Alexander Longrifle / Spirits (Pinto)

This is really horrible!, garbage!! and the worst!!! 以前このコーナーで紹介したレコードについて外人の方から「なんであんな最低のものを載せるんだ!」とお叱りがあったので今回は英語でもコメントさせてもらいますが、これは本当に最低です。実は今現在も某オークションで「グレート・プライベート・ファンク!」なんてコメントで出てますが真っ赤な大ウソです。絶対に買わないように!もし間違って買ってしまったら他人に転売せず叩き割って抹殺するのが世のため人のためです。