Vinyl Review - 22

Eric Dunbar / Freeway (TSG) '76

R.Marrero/1619BAB/Spice/Ultimates等マニアにはノドテの激レア皿宝庫TSG。本作はつい最近まで存在さえも知らなかったが内容が凄いことになっていてビックリ。オープニングからスーパーファンク3連発に続きフリーソウルなA-4、クラヴィネットとBernie WorrellみたいなシンセがファンキーなB-1、ヘヴィーファンクロックB-3、メロウソウルB-2、B-4とまったく隙のないパーフェクト皿!

Ray & His Court / Same (Sound Triangle) '73

リーダーのRay Fernandezはオルガンとフルートをプレイ、曲もほとんどが彼のオリジナル。このアルバムの売りはなんと言ってもドラムブレイクがカッコいいディープファンク「Cookie Crumbs」。JB'sみたいな「Soul Freedom」も強力インストファンクだがベースクラリネットがソロをとるストレンジチューン。

The Real Shoobeedoo / Reminiscing (Wenha) '81

最近異常に盛り上がってるスピリチュアルジャズ界隈。伝説的レーベルTribeからLPをリリースしていることでも有名なWendell Harrisonが全面的にバックアップしたベーシストReginald "ShooBeeDoo" Fieldsのソロ。音のほうはそのTribeの流れを汲んだものとなっており、ディープなスピリチュアルファンク「The Morning Sun」やシュビドゥビスキャットが炸裂する「The Wagon Walk」などこれ以上ない黒さ。

Tom Prin Trio / Even Par (Even Par) '83

ゴルフのレッスンビデオならぬレッスンレコードか?それにしてもこのジャケ、タイトル、レーベル、よっぽどのゴルフ好きオヤジと思われるが、この人は現在も精力的にライヴをこなすTom Prinというピアニスト。「枯葉」なんかやっちゃうような人なんでレアグルーヴとは無縁。ボサっぽいのもあるんで好きな人は聴けると思います。

Candido & His Orchestra / Same (Solo) '73

某雑誌に「あのCandidoがアフロヘア?カツラ?」みたいなコメントが出てたけどそれ違います。「Drum Fever」やBlue Noteからレコードを出しているあのCandido(Camero)ではなくJose "Candido" Rodriguezという別人。確かにややこしいけど。でもKool&The Gangのカバー「Who's Gonna Take The Weight」で大盛り上がりというのは間違いありません。

Wilbur Niles & Thrust / Thrust Too (Tinkertoo) '80

レア盤として知られるMcNeal&Niles名義の「Thrust」は79年リリースなのでこれは彼らの実質的セカンドアルバムと考えてよさそう。McNealの名前はなくなっちゃったけどシンセでちゃんと参加してます。内容はよく言えばソリッドなジャズファンク。「Survival Of The Funkiest」はPファンクみたい。それにしてもなんでそんなに「Thrust」ってタイトルが好きなんだろ?

Jules Broussard / Same (Fleur) '80

主にサンフランシスコをベースに活動しサンタナバンドのメンバーでもあったサックス奏者。本作は彼のファーストソロと思われるが2人のシンガーをメインに据え見事なまでのアーバンソウルを展開している。しかし収録曲のほとんどを書いているのはバックのドラマーMark Leeという人。中でもB-3「All I Do」はCoke Escovedoの「I Wouldn't Change A Thing」に勝るとも劣らない必殺のフリーソウルトラック!

Bobby Forrester / Organist (Dobre)

「Uncle Funky」がLuv N' Haightのコンピに収録されたことで知られる白人オルガニストのアルバム。やっぱり「Uncle Funky」がダントツだけどQuincy JonesのA-2「Sanford And Son Theme」とA-4「Funky Fly」(タイトルほどファンキーじゃないが)もカッコいいソウルジャズ。

Al Reevers / Changes (Polaris) '76

70年代のニューソウルの流れの中から出てきたことを感じさせる黒人シンガーのアルバム。残念ながら内容のほうは全体的にトーンが暗く曲自体も冴えないものが多いのであまりオススメしません。

Bobby Rodriguez / Simply Macrame (Jazz-Men) '73

名前から最初ラテンの人かと思ったんだけどれっきとしたジャズ・トランペッターでした。A面は16分以上に及ぶタイトル曲で占められていて、女性ヴォーカルをフィーチャーした静かめの前半から途中ドカドカと強力なドラムが入ってきてジャズファンクになっちゃうすごい展開。ドラマーが気になって見てみたら、Leon "Ndugu" Chanclerだって。納得。