Vinyl Review - 31

Stan Martin / Stan Martin Is Dr. Cool (RAM) '78

久し振りのヒット!カナディアンモダンソウル。オープニングのノーザンダンサー「You Know I Love You」からグレートミディアム「Beautiful Girl」までA面だけでノックアウト。そして誰もが納得のグルーヴィーソウルB-3「Big Mouth Woman」でトドメを刺されます。欲を言えばストリングスが本物ならより完璧だったんだけどなあ。

Augustine Ramirez / Mi Barquita De Madera (El Zarape)

このアルバムのウリはなんと言ってもディープファンク爆弾「Pack My Bag」。JBの「Papa's Got A Brand New Bag」をパクった感じだが、ガツンとくるドラム、ブリブリいってるバリトンサックス、そしてソウルフルなヴォーカルが素晴らしい。もう1曲「Nobody's Fault But Mine」も文句なしのファンキーソウル。

BJRE / Just Beautiful (Now Sound Associates) '74

ペンシルヴァニア産ビッグバンドジャズ。ご存知「Kool & The Gang」のカバーとベースラインがカッコイイ「Cheesdog」が秀逸。前者は後半ブレイクで「Hey!」という掛け声の後ギターカッティングから怒涛の盛り上がりを見せるかと思いきやすぐに終わってしまうのがなんとも残念。

Fred Taylor / Court Of Circe (Crinkle Cuts) '82

ワシントン出身のジャズドラマー/パーカッショニストのソロアルバム。ソプラノサックスがリードをとるA-2「Rio Skyline」は途中高速サンバビートが挿入されるフュージョンナンバー。B-3「A Lifetime Or Two」は軽快な4ビートの上を女性コーラスが高く舞い思わずウットリ。

The Paris Smith Quintet / Thought Seeds (Oracle) '83

シカゴ生まれのヴァイブ奏者Paris Smithのセカンドアルバム。なんとも気色悪いジャケのアートはヴォーカルで参加しているCarol Sawallの手によるもの。そのCarolが歌うB-3「Thought Seeds」は某コンピにも収録のスピリチュアルジャズトラック。

Steve Halpern / Christening For Listening (Sound Principle) '75

こういうのはヒーリングとかメディテーションミュージックとかいうジャンルになるんでしょうか?「Something For Every Body Suite」という曲がドラムブレイクがカッコイイっていうんで買ったんだけど、エッ!?ドラムなんか入ってないじゃん!どうやらこの曲はドラムが入っているバージョンとそうでないものが存在するらしい。どうなってんの?

Joe Bravo / Please Call Me Baby (Certron) '70

B面が全部英語の曲名だったんでブーガルーな音を期待したが内容は壊滅状態。この時代は黒っぽいラテンソウルも多いが一方でこういうヘナチョコラテンロックみたいなのも多いので要注意。

Valli Scavelli / Floating (Lambda) '78

Wax PoeticsでGilles Petersonがこのレコードを紹介していたのでご存知の方も多いはず。幻想的な前半部分からブラジリアンリズムにビートチェンジする「Floating」、たおやかなボッサ「Somebody's Bossa Not Mine」。そしてやはりハイライトは「Get Off The Ground」、究極のキラーダンスジャズ。

John Cadman Trio / On The Harbour (Mix Down)

こんなグループ名だからJohn Cadmanっていう人がリーダーなのかと思ったら、シドニー湾の船上レストランの店名(船名?)でそこの箱バンらしい。3人は全員フィリピン人でコーラス中心のポピュラーヒットのカバーがほとんどだが、B-3「Humpin」だけはホーンもフィーチャーしたバーケイズのインストファンクカバー。

Bart Bascone / Makapuu (Ho Enterprises) '77

ハワイのシンガーソングライター/ギタリスト。「Makapuu」と「Special Island」のトロピカルなポップさはどこかブラジル音楽と通じるものを感じてしまう。一番のフェイバリットはカラパナ風ハワイアンボッサ「The Winds Of The Pali」。ちょっとポップなファンキーチューン、その名も「Hawaiian Boogie」も悪くない。