Vinyl Review - 4

Earl Carter & The Fantastic 6 / Make It With You (Princess)

裏ジャケにレーベルオーナーが「Stardom is not far away」なんてコメントしてますが、やはり遥か彼方だったようです。ナッシュヴィルのソウル/ファンクグループでこれは彼らの唯一のLPだと思いますが、JBマナーの「Super Bad」的ファストファンクのA-3、Temps「Get Ready」のリフを頂いたB-1、そしてフリーソウルなアレンジのタイトル曲A-1と内容充実の1枚!

Reality / Same (Graham International) '78

1619 Bad Ass Bandもジャケ違いのセカンドプレス(?)がこのレーベルから出ていて(オリジナルはTSG)何かと謎の多いせいかこのアルバムも高値で取引されることがある模様。内容は全曲インストディスコで、コンガがグルーヴィーなA-1とイントロのユニークなベースラインがカッコいいA-2以外はたいしたことない。

Montage / Project One (M.L. Productions) '78

ウィスコンシンで録音されたこのマイナーアルバムはかなり内容的にレベルは高く、特にヴォーカルのMaria Cunninghamの表現力豊かな歌声が素晴らしい。ジャジーなシンガーソングライターといった風情のA-1、アップテンポのジャズフュージョンA-3、ブラジルっぽいコーラスが入るインストA-4、スキャットが印象的なB-4等実に多彩な内容。

Jimmy Bowman / Same (Jaybo)

ミネアポリスのピアニスト兼ヴォーカリスト。クレジットがないのでどれがオリジナルかわかりませんが、大半は「How High The Moon」「イパネマの娘」等の平凡なカバーで占められています。そんな中、Bee Gees「How Deep Is Your Love」のカバーは8ビートながら微妙にスウィングする軽快なアレンジで好感が持てます。

Lilith / Boston Ride (Galaxia) '78

タイトル通りボストンのレーベルから白人6人、黒人1人の女性ファンクバンド。「Pick Up The Pieces」のカバーをやっていますがオリジナルもこの系統の音でどれも小気味良いライトファンクです。ただドラムがちょっともたつく感じなのでリズムの切れが悪くAWBには遠く及びません。

Velvet Hammer / Call Me (Soozi) '77

「Soul Deep Collection」でも紹介のVelvet Hammerのジャケ違い盤。チェックしてませんが収録曲も同じではないかと思われます。どちらがオリジナルかはわかりません。

The Lightmen / Free As You Wanna Be (Judnell) '70

Kashmere Stage Bandを率いたConrad Johnsonに師事したというドラマー、Bubbha Thomasのファーストアルバム(Lightmen名義)。レアグルーヴファンにとっては激レア盤「Country Fried Chicken」でよく知られた存在だ。本人またはLightmen名義で5枚のアルバムを出しているが、これはフリージャズやラテンジャズの要素も取り入れおり、とりわけタイトル曲は強力にパーカッシヴで最高!

Buena Vista College Jazz Ensemble / 1978-79 (No Label)

学生バンドシリーズ第4弾はライヴ盤。目ぼしい曲は多くないものの、BラスのHerbie Hancock「Chameleon」はぐっとテンポを落としたワイルドなアレンジ。トロンボーン+ベーストロンボーンによるイントロなんか超ヘヴィー。録音の悪さも重なりその荒削りな演奏がワイルドさに拍車をかけています。

William St. Clair / Organ Grinder (Advana) '76

タイトルからオルガンがギュンギュン入っているソウルジャズアルバムを想像したが、実際はヘタなローカルソウルシンガーでガックリ。全体的に垢抜けない田舎ソウルばかりだが、タイトル曲はゆったりしたリズムのこみ上げ系ソウルで悪くない。それにしてもこのちょっと鼻にかかった歌声が苦手。

Nothin' Sirius / Monkey Business (Pelican) '77

Baby Grand傘下のPelicanというレーベルから出されたジャズフュージョンアルバム。久し振りにレコード棚から引っ張り出して聴きなおしてみたが、残念ながらこれといった特徴もなくあまり薦められるものではない(悪くもありませんが)。つい最近も「Super Rare Private Press Funk!」というコメントつきで某オークションに出てましたが、けっして高い値段で買わないように!...という自分が一番こういうのに引っ掛りやすいんですが...