Black Vinyl Review - 109

Syndicate / Conveyance (Fanfare/77/US)

ニュー・メキシコ産チカーノ系(?)グループ。シスターズ・ラヴでも有名なカーティス・メイフィールドの名曲「Give Me Your Love」(ここでの表記は「Gimme Your Love」)がファンキーなチンピラ風アレンジで最高。この他にもオリジナルのタイトル曲やコモドアーズのカヴァー「Slippery When It's Wet」等、この手のグループとしては意外にツブが揃っている。

Cedric Im Brooks / One Essence (High Note/-/JAM)

レア・グルーヴとレゲエが交差する「Blackness Of Darkness」とワウ・ギターを利かせてよりストレートなファンキー・ビートが刻まれる「Fern Gully」の2曲が秀逸。

Tulalo / S.T. (Grapevine/77/US)

正体不明。声から推測すると少なくとも黒人ではなさそう。レア・グルーヴと呼べるようなトラックはあるものの数回聴いたら飽きちゃうレベル。

Cast / S.T. (Ciao/80/ITA)

コアなAORファンに人気のイタリアのグループ。「Found The Paradise」「Sing At Your Feet」「Take A Message」等、爽やかでキレのあるサウンドが聴ける。アヴェレージ・ホワイト・バンドのハミッシュ・スチュワートが参加。

Family Circle / Love Bound (Strawberry/77/US)

5人組の兄弟グループ。ファースト・アルバムと思われるスカイ・ディスク盤とのダブリは4曲で、どれも同じテイクみたい。メロウなミディアム「(I Like) The Simple Things」、溌剌としたヤング・ソウル(死語?)「Barbara Lee」、スウィート・ファンに人気(たぶん)の「Together We Can Make It」あたりがオススメ。

Novella Nelson / S.T. (Arcana/-/US)

シンガーというより女優として有名な人。個人的には太っちょオバチャンのイメージが強いんだけど、若い時はこんな感じだったんだねぇ。フィル・ムーアが作曲、アレンジ、ピアノで全面的にバックアップ。こういうのをスピリチュアルと呼ぶのがしっくりくるような。

The Bell Brothers / At Last (Qualley-Bell/82/US)

60年代にいくつかのシングルも残しているアレックス、リロイ、P.C.のベル3兄弟。80年代に入ってからこんなプライヴェート・プレスを残していた。残念ながら一聴しただけでは違いがわからないほど似たような曲が並んでいて、そのうえどれも一本調子で退屈極まりない。

Rabbits & Carrots / Soul Latino (Musart/69/MEX)

ジェイムズ・ブラウン、クール&ザ・ギャング、スライ等のファンクをカヴァーしているメキシコの4人組。いわゆるレア盤として人気は高いようだが、所詮インチキ・レア・グルーヴでしかなく深みはない。

Ronnie Holly / Wheels (TSG/76/US)

計17タイトルの存在が確認されているTSG。中にはソウル/ファンク系以外のものもいくつか含まれており、こちらはアコースティック・ギター中心のシンガー・ソングライター的サウンド。今回針を落とすのは買ったとき以来2度目。3度目はないな(笑)。

Les Oublies de Jazz Ensemble / "That" Nigger Music! (Touche/73/US)

69年のソロ・アルバム『Smiley Etc.』でも強烈な存在感を示していたジャズ・ドラマー、ウィリアム・“スマイリー”・ウィンターズ。このグループでも中心的な役割を担い、フリー・フォームな演奏が展開される中でドラム・ソロもたっぷりフィーチャーされていて、彼のプレイを十二分に堪能できる。

* These are NOT all recommended LPs!!!

2014.10.24