Black Vinyl Review ~ 111

Lula Collins / The Delta Gospel Queen (H.S.E./-/US)

ナッシュヴィルのゴスペル・レーベル、HSE(=Hoyt Sullivan Enterprises)からお馴染みの使い回しジャケ。しかし中身は一味も二味も違う。音は悪く演奏も荒いけど、「Climbing Jacobs' Ladder」と「Help Me」で聴けるプリミティヴなファンク・ビートがヤミツキになるかも。

The Meditation Singers / The Bad Apple (Checker/68/US)

1947年にデトロイトで結成されたゴスペル・グループで、デラ・リースやローラ・リーも在籍していたらしい。本作は、多くのゴスペル・アルバムがリリースされているチェス・レーベル傘下のチェッカーに68年に吹き込まれたもの。ハープをフィーチャーしたドープかつサイケなファンク・チューン「Let Them Talk」が秀逸。タイトル曲とともにベースのウネリがシビれるので是非大音量で聴いてほしい。

The Meditation Singers / I Feel It (Checker/67/US)

こちらは同じくメディテーション・シンガーズの67年の作品。サウンド的には次作とあまり変わらず。「I've Done Wrong」では貫録十分のソウルフルなヴォーカルを堪能できる。.

The Violinaires / Groovin' With Jesus (Checker/71/US)

「Groovin' With Jesus」。初めてこれを聴いたのはハンブル・パイによるカヴァー。今は亡きスティーヴ・マリオットのヴォーカルにシビれっぱなしだったなぁ。こっちのオリジナルをまともに聴いたのは恥ずかしながら数年前。マリオットも凄かったけど、こっちも筋金入りのゴスペル・リードが6分以上に渡ってシャウトを爆発させる極太ファンクでカッコイイことこの上ない。

The Swan Silvertones / If You Believe (Hob/71/US)

この超ヴェテランのゴスペル・コーラス・グループもこの頃はファンクをやってたんだぁ。って他のアルバムはロクに聴いたことないんだけど(笑)。でもってファンクもタイトル曲のみなんだけど。明らかにジェイムズ・ブラウンの影響って感じ。

The Marion Gaines Singers / Learning On The Everlasting Arms (The Gospel Truth/74/US)

ゴスペル・トゥルースはスタックス傘下のゴスペル・レーベル。「The Man」と「Do Your Thing」における太くドッシリとしていてかつ滑らかなグルーヴはジャズ・ファンク期のメインストリーム・レーベルのよう。オススメ。

J.J. Farley & The Original Soul Stirrers / I Try To Get Home (HSE/-/US)

再びHSEレーベルより別パターンの使い回しジャケ。ギター・カッティングがジェイムズ・ブラウン「Soul Power」似のファンク「I Try To Get Home」とタイトルのわりにゴスペル臭さ控え目の「God Will Understand It」以外はキツい。

The Original Pilgrim Wonders / He Never Left Me Alone (Su-Ann/-/US)

Su-AnnというレーベルもナッシュヴィルHSE傘下みたい。こっちはコメントするような曲は皆無で、ジャケの雰囲気だけで買ってしまった典型的な失敗例(笑)。ただそのスジの方々には人気なの?

The East St. Louis Gospelettes / Love Is The Key (Birthright/77/US)

ロサンゼルスのゴスペル・レーベルより。「Have Mercy On Me」がネタだそうで。個人的にはファンキーなスティーヴィーのカヴァー「Have A Talk With God」のほうが好き。

The Religious Soul / Sinner Man (Artist's Recording/-/US)

最後を締めくくるゴスペル皿はコロラド州デンヴァーでレコーディングされたもの。録音は若干新しめで70年代後半くらいか。「Rich Man」は粘着性の高いグルーヴが聴けるファンク・チューン(以下リンクはタイトル曲)。次作『Change Me Lord』は未聴だが高額盤らしい。

* These are NOT all recommended LPs!!!

2014.12.29