Vinyl Review - 55

Ricardo Marrero & The Group / A Taste (TSG) '76

究極のキラートラック「My Friend」を筆頭に「Algo」、「Babalonia」といった超強力レアグルーヴに加え、女性ヴォーカルをフィーチャーしたメロウな「And We'll Make Love」、フルート、ヴァイブ、エレピの絡みが素晴らしいラテンジャズ「Tiny」、「A Taste Of Latin」、そしてまるでソフトロックみたいなコーラスが聴ける「Get Yourself Together」とどれも完璧。これを超えるアルバムを未だ知らない。ちなみに次作「Time」でこのうち2曲が再演されている。

Black Spirit / Black Velvet (Krio)

どっちがグループ名だかわからないラスヴェガスの正体不明盤。イギリスにBlack Velvetというソウル/ファンクグループがいるがそれとは関係なさそう。もう10年くらい前から探していたがジャケさえ見たことがなかった。そして針を落とすと、エンジンをかける音に続き、怪しいギターカッティングにオルガン、ワウギターが被さっていくインストファンクが!うれしくて叫びそうになりました。

The Rumor / At Last (No Label)

女性1人を含む白人4人のグループ。なぜかジャケに落書き(サイン?)だらけのものが多いがやっとキレイなのを発見。ハイライトはジョアン・ドナート「The Frog」のカバー。ブラジルは苦手だけどこれなら納得の超グルーヴィーなアレンジ。一転して「Watermelon Man」のカバーはヘヴィーに迫りくるジャズファンク。推薦盤。

Matata / Same (President) '72

フェラ・クティとかアフリカ系はファンクでもちょっと苦手。明らかにJBの影響を受けたと思われる「Wanna Do My Thing」あたりはカッコいいんだけど、なんか中途半端な感じがするのはドラムが打ってないからかな。ファンクはドラムですから。

Moods / Same (Soiree)

お馴染みのソウルレア盤。1曲あるファンクは聴くも無残。ヒドすぎる。でもスローはいい。特に「Neither One Of Us」は安っぽいシンセも聞こえず、ストレートなスイートソウル。たまにはスイートもいいね。

Oliver Sain / Main Man (Abet)

サンプリングされたりコンピに収録されたりとけっこう人気のあるアルバム。音的には70年前後のGroove MerchantとかSolid Stateみたいなソウルジャズ。そんなソウルジャズマナー満点の「On The Hill」とエディー・ボーにインスパイアされたかのようなファンキートラック「St. Louis Breakdown」が最高!

Robert Ellis Orrall / Sweet Nothing (No Label) '77

どこかに「激レアAOR」なんて書いてあったけど全然AORじゃない。ウエストコーストロックっぽいSSWかな。それにそんなレアなのかなぁ。安かったし。オープニングの「When You Give Me Your Love」はソプラノサックスが入ったりしていい感じ。

Peter Berkow / Bootleg Demo (Such A Deal) '79

見たことないモノクロジャケに「ジャズファンク」なんてキャプションがついてるとほとんど買っちゃう。これもそんな1枚。でもジャズは感じない。ファンキーロックと言ったほうが近い。本人のブツブツ言うようなヴォーカルは勘弁してもらいたいけど、A-5「Part II」等演奏はファンキー。ま、買うほどの内容じゃないかな。

Raphie Martinez & His National Combo / Cool Man! Boogaloo (Mary Lou)

「アぁぁーっ!」という野卑な掛け声がブーガルーによく似合う、洗練という言葉とはまったく無縁のタイトル曲「Cool Man」。そしてヒートアップしっぱなしのデスカルガ「It's About Time」。この2曲で買い!

Dioris Valladares / Con Pimienta (Musicor)

このレーベルにはいつもジャケでヤラれてしまう。聴いたことなかったけどずっとほしかった1枚。でも2曲入ってるブーガルーが「PATA PATA」のカバーとメレンゲっぽいブーガルーなんで好みから遠くハズレてました。

2007.11.04