Vinyl Review - 59

M-Square / Mabu's Madness (Maple)

オール・プラチナム傘下のメイプルには手に入りにくいレコードが少なくないが、その中でもこれは滅多にお目にかからない。「Do The Best You Can」、「Seize The Time」、「Mind Your Business」等、オール・プラチナム特有のコモった音とともにドヨ〜ンとした怪しげな雰囲気のファンク/ソウルが展開されている。

Johnny Nicol / Touch Of Blue (Philips) '75

オーストラリアのジャズ・ギタリスト&ヴォーカリスト。ジャジーなAORだって言うから買ったんだけど、少なくともAORじゃない。サウンド的にはサバービア/オルガンバー系(?)、とでも言えばいいかな?。ずっと昔に聴いてれば「Touch Of Blue」や「Time Is Running Out」あたりをオススメしていたでしょう。

Andy & The Riverside Sextet / S.T. (ORC)

明らかにヤッてくれんじゃないかと期待させるサイケデリックなジャケ。今回は珍しく(?)カンが当たり、「Tony's Boogaloo」、「Shingalin Pow-Pow」、「Sardines With Pork And Beans」と3曲もイカしたブーガルー&シンガリンが!ヴィブラフォンとギターを中心にした演奏が見事にハマッてる。

Mach One / Together (No Label) '79

パート58で紹介したアメリカ空軍バンドの別アルバム。ここでもA面ではロックを演っていて、もちろん聴くに値しない。なんたって「天国への階段」だもん。B-1「Think Big」はシロートっぽい演奏に単純極まりないファンク・チューン。でも、こういうのが好きなんだよなぁ。真っ当なファンク・ファンはスルーで問題なし。

King James Version / S.T. (Jaro)

このファッションとヘア・スタイル、できることなら買いたくなかった。もちろんあのゴスペル・グループとは何の関係もないでしょう。でも「Slippin Into Darkness」、「Smokey Jo's Cafe」、「Messy Pickle」などはソウル・ジャズ的なシブイ演奏で悪くない。それにしてもこの女性シンガー、歌もルックスも遠慮させて頂きたいッス。

Ira Watson / Shining Star (Sozo) '82

プロデュース、作曲、ベース、キーボードとマルチにこなす黒人シンガー。何と言ってもオープニングのタイトル曲「Shining Star」が素晴らしい。AOR/CCMファンなら悶絶必至、ミディアム・テンポのメロウ・フローター。続く「Please Come Back To Me」は女性シンガーとのデュエットよる沁みるバラード。泣けます。バックにはHilton Feltonの名前も。

Minuit / S.T. (Unison)

「Georgy Porgy」のフランス語カバーでも知られるフレンチ・カナディアンDwight Druickのユニット。ここに掲載した盤はフランス語バージョンだが、英語バージョンも存在する(グループ名は英語でMidnight)。A-1「Il Faut Recommencer (It's Never Too Late)」が人気らしいけど、自分にはポップ過ぎてダメ。

Invaders / Spacing Out (Duane)

有名すぎるほど有名なレア盤。バミューダ出身のグループらしいが、US物も含めて1枚のアルバムにこれほどまでに上質のファンクが目一杯詰まったものにはそうそう出会えないだろう。オープニングからラストまで一曲たりとも腑抜けた曲はない。特にドラムの抜けっぷりには脱帽。

The Alexander Review / S.T. (Vaya) '75

Andy Harlow等参加しているもののVayaにしてはラテン色は希薄。ホーンが咆哮を上げるレア・グルーヴ「A Change Had Better Come」と「I Want You」も文句なしだが、ベース、キーボード、ギターによるリフとそれに被さってくる重厚なストリングスやソプラノ・サックスがグルーヴ感を煽る「Snidely Whiplash」が最高。そして、各曲をより引き締まったものにしているのがBuddy Williamsのドラム。さすが。

Sunny & The Sunliners / Sky High (Key-Loc')

スライ、テンプス、シャイ・ライツ等ソウル/ファンク系のカバーで占められており、テックス・メックス系を演ってないのはいいが、どれも凡庸なアレンジで面白くない。B-1「Midnite Mover」の作者は「Unknown」になってるけど、これは明らかにウィルソン・ピケットの「I'm A Midnight Mover」のカバー。ホントいいかげんなヤツら。

2008.04.30