Vinyl Review - 61

Sounds Of The City Experience / S.T. (Tiger Lily) '76

税金対策用レーベル、タイガー・リリーの中でも1、2を争う屈指のレア盤。"Sounds Of The City"名義で7インチにもなっているディープ・ファンク「Stuff N' Thing」もいいが、ブラック・ムーヴィーのテーマ曲のようにスリリングな展開を見せる「Getting Down」は極上のレア・グルーヴ。この2曲以外はすべてヴォーカル入りのソウルで、若干のゴスペル臭さはあるものの悪くはない。

Roach Om / Universal Expressions (United Sound) '71

Roach Omという女性のポエトリー・リーディングもの。あのOneness Of Jujuがバックを務めていると言われている。ファットなベースと土着的なパーカッションに乗せ、フリーキーなサックスとピアノが絡む呪術的な魅力に満ちたA面は、聴くたびにディープでスピリチュアルな世界へ引きずり込んでくれる。

Carl Marshall & The S.D.'s / I'll Give My Heart To You (Chantilly) '80

「究極の〜」に掲載されたうえ、A-2「Come Groove With Me」が某コンピに収録されたので探している人は少なくないでしょう。でも、基本的にはチープさだけが目立つ何の変哲もないファンク/ソウル。「Come Groove〜」もただのディスコだし。スローの「Since I Met You」が一番かな。

V.A. / Disco-Funk (RCA) '75

Con Funk Shunをはじめとする複数のアーティストの曲を集めたコンピレーションで、骨太のファンクが満載の充実作となっている。Hudson Countyによる迫力満点のダーティー・ファンク「Bim Sala Bim」と「Everybody's Funky」、Lillian Hallのヴォーカルが爆発するファンキー・ソウル「Don't Boom Boom」、ヘヴィー・ファンク・インスト「Rice And Beans」(Madeira)、「Clique」(Con Funk Shun)、「Cookies」(Brother Soul)等々、すべてが最高!

Kashmere Stage Band / But Still Burning (Kram)

ジャケの色使いを見ただけですぐにわかってしまうConrad Johnson率いる学生ビッグ・バンド。「$$ Kash Register $$」、「Zero Point」、「Do Your Thing」とこのアルバムでもゴリゴリのジャズ・ファンクをたっぷりと堪能できる。

The Professionals / On Tour (CES)

ヤラれたっ!ブレイクがカッコいいという噂を信じて買ったんだけど、なんつっても「ゴッド・ファーザーのテーマ」ですよ。ブレイクだってイントロにチョロっと気の抜けたようなのが入ってるだけ。とにかく「ダメ」カリビアン。ちなみにメキシコとグアテマラに挟まれた国、ベリーズ出身のグループだそうです。

The California Playboys / Trying To Become A Millionaire (Loadstone) '76

ジャケの雰囲気のせいか長い間気にもかけなかったLP。数年前たまたま友人に聴かせてもらってビックリ!最高じゃないスか!特にブルージーでソウルフルなタイトル曲と跳ねるビートが心地いいファンク「Turned On For Good」がお気に入り。

Vessie Simmons / On My Own (Simco)

7インチで有名(?)な「I Can't Make It On My Own」を収録した黒人女性ソウル・シンガーのアルバム。イチオシはやはり「I Can't Make〜」で、イントロのギター・カッティングにストリングスがいい感じで入る70'sモダン・ソウル。フリー・ソウル・ファンにも受けそう。でも他はすべてイマイチ。

Roy Porter / In A Groove (Vistone) '84

なぜか84年という中途半端な時代にひっそりとリリースされたレア・グルーヴ・ドラマー、ロイ・ポーターの3枚目。と言っても全8曲の内、6曲が前2作とダブリ。新たに追加されたのは2曲のみというなんだかよくわからないアルバム。おまけに追加2曲はともにつまんないので、コレクターじゃなければ買う必要ないです。

Renzo Fraiese / Finalmente (Avi) '78

正体不明のフュージョンくずれのレコードが多いこのレーベル。キーボード奏者Renzo Fraieseによる本作も例外ではない。ジノ・ヴァネリみたいなスロー「Angela」とギター・カッティングがイカす「12 Engle Street」がオススメ。

2008.06.20