Vinyl Review - 62

The Al Tanner Quintet / Happiness Is... Takin' Care Of Natural Business... Dig?! (Touche) '67

ピアニスト、アル・タナーによる本作は某ディスク・ガイドにも掲載された名盤。なんと言ってもジャズ・ワルツ「The Magi」が抜きん出ているが、続く「Kuba」も各プレイヤーの抑制の効いた演奏が素晴らしい。ところでこのアルバム、黒と赤の2種類のラベルが存在するですがどっちが先なんでしょうか?

Paul Stephens / Nubian Knights (RPM) '83

サンフランシスコのマイナー・レーベルからリリースされたジャズ・サックス奏者のアルバム。83年録音のためキレイすぎる音が好みではないが、男女のヴォーカルが絡み合う「Love Will Find A Way」は悪くない。

Falconaires (The United States Air Force Academy) / S.T. (No Label)

ここから軍隊グルーヴ3連発。まずは空軍のファルコネアーズ。腐ったレコードが多い軍隊ものの中でもピカイチ。オープニングの「I Just Want To Celebrate」からドラムが激しく打ちまくり、デニス・コフィーの「Taurus」、ジョー・テックスの「I Gotcha」のカバーと怒涛のレア・グルーヴ攻撃が展開される。

Mach One (The U.S. Air Force Band Rock Group) / S.T. (No Label)

続いては同じく空軍のマッハ・ワン。この人たち、ロクでもないレコードをかなり出してるんだけど(少なくとも6枚は確認済)、このアルバムはまともなほう。「Wake Up The World」は高速リズムで飛来し、切れのいいホーン爆弾を落とすインスト・ファンク。但しギター・ソロは思いっきり不発。

Port Authority (The United States Navy Band) / America (No Label)

最後は海軍。ポート・オーソリティー・ソウル・バンド名義の『Together』はファンクの名盤だったが、これはダメ。ほんとダメ。ただのロック。いや、サイテーのロック。沈没。

Unit / Introducing U.N.I.Together (Toxsan) '80

“スペシャル・エディション・バンド”というソウルのレア盤があったが、それを思い起こさせる超シンプルなジャケット。ベスト・トラックは甘くメロウな「So You Can Gain」で、他はすべてヘロヘロのディスコ。

Manny Russell / I'm Watching You (Cherrie) '82

モダン・ソウル系の音かと思ったが、ポップで爽やかなトラックが並ぶ。黒人シンガーながらヴォーカルもソウルフルとは言い難く、サラッとしていて白人みたい。AORが好きなら十分許容範囲内だろう。

Ray Camacho & The Teardrops / S.T. (California Artists Corporation)

昔ネットで一度このレコードを買ったんだけど結局届かなかった。今回は買い直したものは無事到着。しかし、内容は全曲救いようのないテックス・メックスだった。2度損した...

Armbruster & Thomas / Live (ATL) '79

キーボードのグレッグ・アームブラスターとベースのリー・トーマスによるライヴ・アルバム。死ぬほど退屈なジャズ・スタンダードがほとんどだが、ハービー・マンのカバー「Memphis Underground」のみジャズ・ファンクでグッド。

Jay Days / Between The Swells (No Label)

ハワイものみたいなトロピカルなジャケだけでなんとなくワクワクしてしまう。針を落とせば、やっぱり、ハワイっぽい雰囲気の優しいエレピにカラッとしたギターの音色が聴こえてくる。久し振りに出会った極上トラックは「Long Way Home」。歌っているのはジェイ・デイズという正体不明のシンガー・ソングライター。あっ、ハワイものじゃないです。

2008.08.03