Vinyl Review - 63

Ann Sexton / Loving You, Loving Me (Seventy-Seven)

70年代前半の録音を集めた編集盤だが、内容は77年の『The Beginning』よりずっと素晴らしい。中でも「You're Losing Me」は、特徴的なベース・ラインと鋭く切り込むホーンのアンサンブルが秀逸なファンク・トラック。「You're Gonna Miss Me」もテンポを落とし、ディープにファンキーに迫ってくる佳曲。ファンク・ファン必携!

Billy Martin & The Soul Jets / Doin' Their Thing (London) '69

「I Turn You On」の激烈ファンク・カバーで知られるビリー・マーティン。ここでは典型的なインストR&Bサウンドが聴ける。ベースがいいグルーヴ感を生み出すファンク・チューン「Strut」が平均点といったところ。その他はイマイチ。

Orlando Marin / Orlando Marin's Saxofobia (Manana)

ティンバレス奏者オルランド・マリンがマウリシオ・スミス他5人のサックス・プレイヤーを従えて制作されたアルバム。パーカッション群が強烈なラテン・ビートを作り出し、バリトン・サックスがサウンドに厚みを加えている。

Robert Nahwah Smith / Remember Me (Daystar) '83

モダン・ソウルと言うより、CCMと言ったほうが適切だろう。「I'm Gonna Serve The Lord」は、リード・ギターがジェイ・グレイドンのような軽快なAOR。メロウなバラード「Reflections Of His Love」もイケる。

Southwestern College Stage Band / 10th Annual Jazz Festival 1972 (United Sound)

サックス奏者のトム・スコットが参加しているカレッジ・ビッグ・バンドもの。「Cade's County」はフルートとソプラノ・サックスがイカしたジャズ・ファンク。

The United States Naval Academy Band & Glee Club / Wind And Song (No Label)

2枚組レコードだが、大半は男声合唱とマーチング・バンドによる演奏。但し、D面にはクール&ザ・ギャングのカヴァーやドラム・ブレイクがカッコいい「Channels」といったファンキー・ブッグ・バンド・ジャズが収められている。

V.A. / Compliments Of The United States Navy Band (No Label)

アメリカ海軍関連のグループを集めたコンピレーション。単独アルバム『Together』が人気のポート・オーソリティーによる「Evil Ways」と「Yesterday's Lettuce」が中レベルのファンキー・チューン。その他は聴くだけ時間の無駄。

Optimistics / S.T. (Turbo)

“木登りジャケ”で知られるオプティミスティクス。ジョージ・カーのプロデュースということもあって、スウィート・ソウル・グループとして認知されているのかもしれないけど、イナタくファンキーな「Man」と「If I Could Influence Man」、ミッド・ソウル「Say It Baby」がサイコーなのだ。

Library / Themes - The Voice Of Soul (TIM) '76

イギリスの黒人女性シンガー、マデリン・ベルをフィーチャーしたライブラリー・アルバム。「Love Is All」や「That's What Friend Are For」など4曲が彼女のソロ作『This Is One Girl』とダブっているが、すべてテイク違いで、よりシンプルなアレンジで味わい深いサウンドになっている。

The Latinos / We Believe In You (Lamb & Lion) '76

「It Must Be Love」でAORファンの心を鷲づかみにしたラティーノス。このアルバムでは、メロウなトラックは今一つだが、咆哮を上げるホーンとソウルフルな女性シンガーのヴォーカルがファンキーな「Power」がオススメ。

2008.08.03