Vinyl Review - 71

O.S.T. (Charlie Cuva) / Pound (No Label)

真っ白なプレーン・ジャケにハンコを押しただけ。ラベルも同様。曲名の記載もない。そんな知る人ぞ知るカルト・ムーヴィーのオブスキュアなファンキー・サントラ!のはずだったが、出てくる音はサイテーの歌とロック・サウンド。1曲だけ収録されたインスト・ロウ・ファンクも前半のシロいギターがブチ壊している(後半は◎)。

Morningstar / S.T. (No Label)

こっちは完璧なプレーン・ジャケ。ゆえに画像はラベルのアップにしてみました。もちろんどこの誰だかまったく不明のプライヴェート・プレス。怪しげなストリングスからドラムがリズムを刻み始めるクロスオーヴァー・トラック「Dreams」や女性シンガーがヴォーカルをとるAOR的な「Beyond The Mystic Blue」あたりは悪くないけど、あきれるほどクサいロックもあったりするのでけっしてオススメはしません。

George Scott / Find Someone To Love (Maple)

Stang/Turbo/Vibration/Alithia他多くのレーベルを抱えるオール・プラチナム。その中でもこのMapleにはGloria BarnesやMabu's Madnessといった隠れた名盤が多い。本作も例外ではなく、這いずり回るようなベース・ラインに圧倒される「My Neighborhood」やイナタくも魅惑的なミッド・ソウル「Why Is It Taking So Long」、「I'm A Fool For You」等、素晴らしい内容となっている。

The Heartstoppers / S.T. (All Platinum)

今更ながらコツコツと集めているオール・プラチナム系。このレーベルが発するイナタさがたまらない!というソウル・ファンは少なくないのでは? “ニュー・ジャージーのシュープリームス”と言われているらしい女性ヴォーカル・グループ、ハートストッパーズ。個人的にはスウィートにあまり興味はないので、ポップで軽快な「Where Does The Love Go」がお気に入り。

The Texas Southern University Jazz Ensembles / Tribute (Advent)

掘っても掘っても出てくるカレッジ・バンドもの。近年徐々に盛り上がっているような気がしていたが、ついには『School Me!』というコンピまで登場した。そこにチョイスされていたのが本作収録の「Compare To What」で、高速で物凄い迫力の演奏に圧倒されるのみ。一方「Black Roots」はダウン・テンポのヘヴィー・ジャズ・ファンク。「Rare Groove A to Z」掲載盤。

Syd Jones & The Troubadours / Positively Spicy (WIRL)

カリビアン・ファンクと言えば聞こえはいいが、ミーターズ「Cardova」のカヴァーはモッタリしていて力が抜けてしまうダメ・トラック。それ以外にも聴くべきものはまったくないし。いいかげんこのへんの音から足を洗わなきゃ。

Lebanon Valley College Jazz Band / Live! (Trutone) '77

ペンシルヴァニアにある大学のビッグ・バンドでメンバーは全員白人。リズムが粗くあまり演奏がうまいとは言えないが、スライを思わせるジャズ・ファンク・ナンバー「Lemon Curry」や「Dirty Ole' Man」は悪くない。

John Minnis' Big Bone Band / Classic I-Live (John Minnis) '79

トロンボーン奏者ジョン・ミニスが放ったレア・グルーヴ・ファン必携の傑作アルバム。「What Can You Do?」、「I Found Out」といった文句なしのジャズ・ファンクや、ヴォーカル入りのキャッチーなソウル・グルーヴ「I Want Your Love」等を収録している。「Rare Groove A to Z」掲載盤。

The Studio Band Of The United States Army Field Band / The Second All-Army Composers-Arrangers Showcase (Cardinal Export Corp.)

イースト・オブ・アンダーグラウンドと同じレーベルからリリースされた本作はやはりアメリカ陸軍関連。頂きものなので内容については、“ファンクではない”ということだけ言っておきます。CCさん、ありがとう!

Howard University Jazz Ensemble / '76 (No Label) '76

ワシントンD.C.の黒人学生ビッグ・バンド。ぶっといグルーヴがうねるジャズ・ファンク「Is There Anything Still There」と、豪快な演奏で迫力満点のスティーヴィー・ワンダー作「You Haven't Done Nothin'」を収録。

2009.05.11