Vinyl Review - 72

Bill Swift Trio Featuring Drenda Barnett / BST Plus 1 (No Label)

ライヴ会場でのみ販売されたというレア・アイテム。テンポ・アップしたアレサ・フランクリンのカヴァー「Chain Of Fools」と「Why Do You Do Me This Way」では、打ちまくるドラム、キレののいいギター、うねるベース、ワイルドなオルガンが完璧なレア・グルーヴ・サウンドを生み出し腰を抜かすこと必至。もちろんドレンダのヴォーカルも最高だ。更には、同じくアレサのメロウ・グルーヴ「Day Dreamin'」やハードにドライヴするスライの「Higher」等、プライヴェート・プレスの底力をこれでもかというほど見せつけてくれるテキサスからの一撃。

The Wynne Unit Band / The Texas Prison Rodeo Presents Behind The Walls (No Label) '70

囚人たちのロデオ大会? 黒人白人混合総勢20名以上のビッグ・バンドによる演奏が収められているが、ほとんどが予想通りのカントリー&ウェスタン。そんな中、なぜか奇跡的にレア・グルーヴしてるトラックが2曲あった! とにかく「It's Over」と「Come Home」を聴いて驚いてください...ってそんな驚かないか。なのでゲテモノ好きの方のみオススメしておきます。

Tata Vega / Tata Vega I (Tiger Lily) '76

ちょっと遠慮させて頂きたいこのオバハンは、モータウンにも数枚のアルバムを残しているソウル・シンガー、タタ・ヴェガ。その彼女がタイガー・リリーからアルバムをリリースしていたことをご存知だろうか? 少なくとも自分は知らなかった(^^;)。内容はロック寄りのイナタいソウルであまり推薦できるシロモノではないが、スライのカヴァー「Underdog」はなかなかファンキーで捨てがたいのだ。

Champaigne Central High School Jazz Band / Jazz '71 (Superior)

荒々しいドラミングに導かれ中近東風のホーン・リフが入る迫力のジャズ・ファンク「Turkish Bath」で、オープニングからガツンとヤられるイリノイの学生ビッグ・バンド。「Walkin' In Space」は、女性ヴォーカルを起用しスピリチュアルな雰囲気で始まるが、途中4ビート〜ファンク・ビート〜ソロと展開していく10分弱の長尺トラック。

Bobby Hales Big Band / One Of My Bags (Center Line) '75

こちらはカナダのビッグ・バンド。A-1「Funklickity」を試聴したらワウ・ギターがカッコいいジャズ・ファンクだったので購入。でも2回くらい聴いたらもう飽きちゃった。それよりB面のピアノがリードするジャズ・ワルツっぽい曲のほうがいいかな。

Thomas A. Blakelock High School / Makin' Waves (Fantasy Sound) '75

続いても同じくカナダの学生モノ。グルーヴィーなジャズ・ファンク「Hang In There」以外は小学生のブラス・バンドみたいで聴いてられない。

Thamad Fever Band / S.T. (Chancy) '80

なんとなくスピリチュアルな臭いを感じて買ってみたけど、まったくのハズレ。腐ったズークみたいな音でヒドイ内容。

Tom Harrell / Aurora (Adamo) '76

ホレス・シルヴァーをはじめ数々のトップ・ジャズ・ミュージシャンとの録音を残しているトランペット奏者トム・ハレルのソロ・アルバム。レニー・ホワイトやマイク・リッチモンド等の強力なリズム・セクションに支えられた豊潤なサウンドを満喫できる秀作。ファンキーな「Aurora」、ラテン・ジャズ「On The Roof」他全6曲収録。

Paul Nash / A Jazz Composer's Ensemble (Revelation) '79

サン・フランシスコを中心に活動していたジャズ・コンポーザー、ポール・ナッシュ(本作ではアコースティック・ギターも演奏している)。スピリチュアルなトラックに囲まれ、唯一軽妙なラテン・ジャズ「The Joy」が光る。

Craig Harris / Aboriginal Affairs (India Navigation) '83

実はちょっと苦手なスピリチュアル・ジャズ。レーベルもチェックせずに買ったのが失敗だったか? トロンボーン奏者クレイグ・ハリスによる本作、ドナルド・スミスがヴォーカルをとる「Dijiribludu」はかなりいいんだけど他の曲がなぁ。

2009.05.26