Vinyl Review - 78
T.C.B.
/ S.T. (RPI) '80 恥ずかしながらつい最近まで存在さえも知らなかった、女性1人を含む黒人3人組のマイナー・ソウル盤。全員名字がテイラーなのでファミリー・グループなのだろう。ファンク系は一本調子の似たような曲が多いが、まったりとしたメロウ・ソウル「Memories」や軽快かつ力強いビートが刻まれる「Children Of The Future」はローカルものとしては高水準。チープなジャケも最高! |
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Toby
King / Toby Kang (Chelsea) '76 レーベル・メイトのロン・ヘンダーソンが偉大すぎるせいかその陰に隠れあまり話題にのぼらないアルバムだが、甘くみてはイケナイ。オープニングの「We're In Love With Each Other」からストリングスとホーンをふんだんに使った重厚なサウンドのソウル・ダンサーが飛び出し、いきなりノックアウトされてしまう。続く「I Just Want To Love You」も同タイプで甲乙つけがたい素晴らしいトラックだ。 |
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Panache
/ This Is Panache (Roche) 再発も出ているニューヨーク発のマイナー・ソウル皿。オープニングからモーメンツの名曲「Not On The Outside」をソフィスティケートされたアレンジで聴かせカルト・ソウル・ファンの心をグイッとつかむ。ただ全体的にはディスコ色が強いので個人的にはもう一歩といったところ。 |
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Charlie
Chin & Chris Iijima / Back To Back (East/West World)
'82 中国系&日系アメリカ人のシンガー・ソングライター・デュオ。A面は陳、B面は飯島が書いた曲が収められていて、「Dust Don't Fly」、「Asian Song」、「Down In The Street」等、どれもアコギが魅力的なグルーヴが紡ぎ出している。 |
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Lalomie
Washburn / Could It Be (Temati) '83 後にルーファスに加わったトニー・メイデンとボビー・ワトソンも在籍していたハイ・ヴォルテージのヴォーカリスト、ラロミー・ウォッシュバーン。77年にリリースされたソロ・アルバムはフリーソウルの流れの中で取り上げられ注目を浴びたが、83年の本作はあまり知られていないかもしれない。70年代当時は白いアフロ・ヘア(カツラ?)でかなり尖がっていた彼女も、見てのとおりすっかりオバサンになってしまい、タイトル曲「Could It Be」をはじめサウンド的にも落ち着いちゃった感じ。 |
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Bill
Doggett / Lionel Hampton Presents (Who's Who In Jazz) '77 ライオネル・ハンプトンがプロデュースした“Who's Who In Jazz”シリーズ。ジャズというよりもR&Bオルガン奏者としての印象が強いビル・ドゲットとのコラボレーションによるアルバムだ。内容は正直あまり面白くないけど、ファンク・ビートと4ビートが交錯する「Dig The Thing」のみオススメ。 |
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Clydie
King / Steal Your Love Away (Baby Grand) '77 クライディ・キングのレア盤といえばTiger Lilyの『Rushing To Meet You』とBaby Grandの『Steps Out』。実はこの2枚、曲目はすべて同じだが、「Loving You Is So Easy」や「Rushing To Meet You」等ではヴォーカルやコーラスが入るタイミングが違っている。バック・トラックは同じなのでミックス違いとでも言えばいいだろうか。ところがつい最近、更なるBaby Grand盤(本作)を発見!「まだあったの?」と驚きを隠せなかったが、ゲットしてみれば内容は『Steps Out』と曲目・曲順・レコード番号他すべて同じのジャケ違い盤だった。 |
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Just
A Little Bit / S.T. (Baby Grand) '77 これってグループ名? その実体は同レーベルからソロ名義でもアルバムを出しているコンポーザー/アレンジャーのPaul Zazaによるプロジェクトのようだ。残念ながら内容はどれも面白みのないインストばかりで最後まで聴き続けるのは不可能。その名のとおりフルートがリードするブギー・チューン「Flutey Boogie」のみ許容限度ギリギリか。ちなみにジャケの女性2人はただのモデルみたい。 |
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C.M.
Lord / A Fat Chance (Baby Grand) '77 キャピトルからもソロ・アルバムを出している女性ソウル・シンガーがこのレーベルにも作品を残していた。ジャケを見る限りバックは白人のようで、音的にも若干ロック寄りであまり好きな内容ではない。それにしてもBaby Grandってロクなアルバムがないなぁ... |
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William
DeVaughn / Figures Can't Calculate (TEC) '80 ウィリアム・デヴォーンの人気曲といえば74年の「Be Thankful For What You've Got」。80年にリリースされた本作ではこの曲を再録しており、テンポアップしたダンサブルなヴァージョンに仕上げている。ライトながらしっかりとソウルが感じられる「I Never Found Me A Girl Who Loves Me Like You Do」やドリーミーなミディアム「Hold On To Love」も素晴らしい。価格も3桁で転がってることが多いので見つけたら是非お試しを。 |
* These are NOT all recommended LPs!!!
2009.12.27