Vinyl Review - 81

King Solomon / Energy Crisis (Mader-D)

プレーン・ジャケにコピーした紙が貼ってあるだけの別テイク盤。収録曲数は通常盤が10曲なのに対しこっちは7曲で、「Ain't It Funky Ya'll」がここでは「Odd Song」というタイトルになっている。その「Odd Song」と「Political Rag」ではサックスの代わりにフルートがフィーチャーされ、よりクールにヘヴィーに迫りくる。また、音圧も高く、腹に食い込むようなバスドラを聴けば速攻で倒されること必至!

The Singers & Musicians Of Washington High School / Peace Will Come (Dean Brown)

アフロ・ヘアの黒人学生がズラリと並んだ強烈なインパクトのジャケ。「ゴスペル?ビッグ・バンド・ジャズ?」、いやいや違うんです。ドラム&パーカッション・ブレイクでグルーヴィーに始まり、ソプラノ・サックスとエレピが入るとスピリチュアル・フィーリングに満ち溢れるという極上トラック「Blue Peach」に、女性ヴォーカルが映えるこれまたスピリチュアルなジャズ・ワルツ「The Ladder」を収録したちょっとオイシイ秘密のお皿。

The Ben Champion Trio / S.T. (Callagan)

ジャズベリー・パッチといえば一部のレア・グルーヴ・マニアの間で話題になり、数年前には再発までされたジャズ・ユニット。そのリーダー兼サックス・プレイヤー、ベン・チャンピオンがそれ以前にもこんなマイナーなアルバムを出していた。ラウンジーなサウンドが大半を占める中、3拍子のボッサ・ビートから途中オルガンが入ってきてラテン・ジャズ的な展開を見せる「Fool On The Hill」(ビートルズのカヴァー)はソコソコ。

Crosswind / S.T. (Loose Wig) '82

シンシナティ産白人4人組ジャズ・グループ。ほとんどの曲にヴォーカルが入っていて、ブラジリアン・リズムの「Spring Song」やジョン・ヘンドリックスの「I'll Bet You Thought I'd Never Find You」は一昔前なら注目を集めていたかもしれない。個人的にはAORファンにも支持されそうな「Hello」がイチオシ。フュージョンっぽい演奏と爽やかなメロディーの好トラック。

The Oscar Arias Quartet / From The Mexican Village (Fanfare)

カリフォルニアのメキシカン・レストランで演奏していたラウンジ・バンド(?)。「I Feel The Earth Move」、「Evil Ways」、「Comin' Home」等有名カヴァーばかりで、どれも可もなく不可もなくといったところ。

V.A. / Riding The Wings Of Love (Goodworks Music) '78

複数のアーティストによるニュー・ジャージー産の怪しげな2枚皿。内容はフォークやカントリーが中心で、唯一National Black Theaterだけは黒人グループみたいだけど、ドラムとベース抜きの演奏(ピアノ、ギター、パーカッション)なので個人的にはイマイチ。

Billy Jo Spears / S.T. (TSG) '76

TSGといってもレアなソウルやファンクだけってわけじゃない。カントリー界では有名な(?)ビリー・ジョー・スピアーズという白人女性シンガー。もちろん内容もカントリーなのでTSGコンプリートを目指す人以外は買う必要ありません。

Jim Schmidt / Somethin' Right (Emerald) '83

ジャケがダサいという理由だけでずっとスルーしてたけど、オープニングの「Love Has Taken It All Away」から自分好みのサウンドでビックリ。なんかペイジズっぽいなぁと思ったらリチャード・ペイジとスティーヴ・ジョージがコーラスで参加してました。AOR/CCMファンに人気なのも納得。

Doug MacDonald / I've Got The Minor Blues (Sharp Eleven) '81

よさげなジャケット、しかもハワイもの。フォーキーでジャジーでメロウな音を期待したんだけど、眠くなるほど退屈なインスト・スウィング・ジャズでした。ハワイらしさもゼロ。

Steve Sanger / Whatever (Rocking Horse) '77

出来損ないのビーチ・ボーイズみたいな、自分にはまったく関係ない白人(たぶん)ヴォーカル・グループ。

* These are NOT all recommended LPs!!!

2009.04.30