Vinyl Review - 95

Elegua / 77 (No Label/77/US)

奇妙なモノクロ・ジャケに魅かれ試聴もせずに買ってみたら久しぶりのアタリだった。どうやらラテン系ミュージシャンを中心にボストンで結成されたグループのよう。45回転の4曲入りミニLP仕様で、ハービー・ハンコックのカヴァー「Tell Me A Bedtime Story」や「Planeta Pimienta」他、全曲素晴らしいラテン・ジャズ。浮遊感のあるエレピの音色が良いアクセントになっている。

The Dave Pike Set / Got The Feelin' (Relax/-/NED)

1968〜73年までドイツに滞在していたヴィブラフォン奏者デイヴ・パイクが、オランダで地元ミュージシャンと録音した一枚。ベスト・トラックはやはりアルバム・タイトルにもなっているジェイムズ・ブラウンのカヴァー「(I) Got The Feelin'」。イナタくザックリとしたバックの演奏の上でパイクのヴァイブが華麗に舞う。欲を言えばもっとヴァイブ・ソロが聴きたかった。

Jeannine Otis / Sookie (Disques Esperance/75/FRA)

フランスものにはまず手を出さない。こんなジャケならなおさら。それでも念のためと思って試聴したらこれが意外に悪くなかった。クール&ザ・ギャング風のインスト・ファンク「Choco Date」、「Rhythm On Rhythm」やアフロ・ファンクっぽい「Midnight」あたりはけっこう聴ける。ただ、すぐ飽きるかな。どうもヨーロッパものには“深み”を感じないので。

Carol Woods / Out Of The Woods (Ember/72/UK)

イギリスのレコード会社(Ember)社長によって見出されたニューヨーク生まれの女性ソウル・シンガー。良い意味でオーソドックスなソウル・ナンバーが多く、中ではオープニングの「Bigger Than I」がオススメ。再発CDも出ているのでソウル・ファンなら買って損なし。

Sheba / Plays Jungle Fever (Mio International/72/US)

気怠いヴォーカルがこっちまでダルくしてくれる人気と内容が反比例のアルバム。確かに「Jungle Fever」は悪くないんだけど、他の曲があまりにヒド過ぎる。試聴してから買えばよかった...

Sweetalk / Live! (No Label/78/US)

西海岸のマイナーなロック・バンド。爽快感溢れるサウンドが魅力で、涼しげなギター・カッティングとエレピが聴ける「Shake It Off」で始まるB面の流れがいい。

9th Creation / Reaching For The Top (Prelude/77/US)

デビュー・アルバム『Bubble Gum』が人気のナインス・クリエーション第2作。時代のせいなのか、大手レーベルに移籍したせいなのか、サウンドが洗練されて普通のソウル/ファンク・バンドになっちゃった感じ。とはいえ内容自体は悪くないかな。

Lonnie Hewitt / Keepin' It Together (Wee/77/US)

「Newsroom」が人気のマイナー・ソウル。ジャケが2種類あるのはもう有名? 曲目、曲順、テイク、ラベル、マトリックスはすべてまったく同じ。残念ながらどっちが先かは今のところ不明。

Stacey / Only The Children Know (Mainroads/80/CAN)

カナダのCCMモノ。マイナーながら「The Merry-Go-Round」や「Keeps Me Hanging On」あたりはレヴェルが高い。詳細は例によってココで。

Brandon Bray / S.T. (Hula/80/US)

こういうジャケを見ると購買意欲が著しく減退するけど(笑)中身は問題なし。ハワイ語で歌われるブリージン・チューン「Hoapili」、時間がゆっくりと流れるような「This Is Love Inside Me」、ジョン・ヴァレンティのカヴァー「I Wrote This Song For You」、メランコリックなメロディーが印象的な「Together」等、良質のコンテポラリー・ハワイアンがたっぷり。

* These are NOT all recommended LPs!!!

2011.09.15